穏やかに雨降れ。(なんとなく小説風)

太陽が照りしきる夏の街。アスファルトに囲まれフライパンのごとく熱せられた世界。
色のわからない薄汚れた空気が熱を包み込み都会という世界を形作る。
昼。太陽が真上に昇り熱戦をさえぎる空気が薄くなる時間…。
ふとそとをみれば、いつの間にか世の中を象徴するようなくらい雨雲が立ち込めている。
黒い雲がたちこみ遠くのほうは黄色く不気味に光る。
いつもであればあまり気にしないであろう光景、しかしあまりの嘆じがんの空気の流れにただならぬものを感じ取る。
「一雨降るかな。」自分は家の中に居る。涼しくなっていいくらいだ。
お気に入りのCSテレビを見て暑さを紛らわす。窓からの風だけが唯一のエアコンである。
人体を蝕むパラサイト…。人体に規制し蝕むぐにゃぐにゃした虫やらせこい病原菌やら三メートルにもなる物体についてやっていた。
その最中、果たして人間がいかにして対抗するのかという話題に指しかかりつつあったとき、
突然画面が真っ暗になる。「電波を受信できませんでした。」
まだ雨は降っていない。スカパーの電波が途切れたようだ。人類は寄生虫に勝つことを許されないとでも言うのだろうか。(まあ再放送だから一度見た内容なんだけど)
外は暗く遠くは不気味にオレンジ色をしている。この短時間にだいぶ雲の位置が低くなったようだ。
仕方がないので地上波アナログに切り替える。
とたんにバケツをひっくり返したような土砂降りに。周りはいつの間にか一面灰色の雨に包まれる。
くもの形さえ見えないくらいの雨と大音量の雨音。どこかでひかったのかわからない閃光と低く遠くまで響き渡る雷鳴。
数分後、見事な晴れ間に覆われるも、また雷雨に見舞われた変な天気であった。


どうでもいいけど電車の防音はすごいね。雷や雨音がぜんぜん不快に聞こえない。
将来家を立てるならあれくらいがいいな。