出会い系(3) 出会い系はなぜ儲かるのか?

さて、今回からはいよいよ業界の事情を説明していきます。
まず、出会い系サイトというのは儲かります。それもかなり儲かるのです。
では、どこからお金が流れてくるのでしょうか?

おおざっぱに言ってしまえば、お金持ち→出会い系サイト ということになります。
そもそも出会い系サイトは人妻だのセフレだのと性に関するものですから、当然競合するのは性風俗ということになります。
現状で性風俗はかなり高く(一回一万以上は確実)、あまりいいイメージもありません。
対して出会い系サイトは一見お金がかからなさそうに見える上、いろんな女の子と出会うことができるので、若者からおじさんまでいろんな客を取り込めます。
たとえ客単価(お客さん一人が払う料金)が少なくても、大量の客をしかも定期的に取り込むことができるため、多額の売り上げを計上できるのです。

出会い系サイトにかかる費用

出会い系の収入はサイト利用者の利用料金だけです。それ以外にも広告を出しているサイトは広告料が入ります。
主にこの二つだけです。お客さんがお金を払ってくれなければ簡単につぶれます。
一方で、出会い系にかかる費用は次のようなものがあります。

だいたいこんな感じです。ものすごくおおざっぱに見積もると(雑誌連載の中堅出会いサイトの場合 あくまで適当です。)
収入 : 500円(一人あたり) × 10000人 + 20万(広告料) = 520万
支出 : 10万(サーバ) + 100万(雑誌広告連載料) + 100万(人件費とか) = 210万円


かなり適当でいい加減な見積もりですが、利用者が増えれば増えるほど儲かる仕組みです。
しかも毎月入会者が増え、常連さんが増えればさらに儲かる計算になります。
つまり、いかに収入を増やして支出を減らすかが鍵になります。

客集めとサクラ

とにもかくにも金を持った男性客を登録させて、お金を払わせるようにしなければいけません。
どうすれば男性が登録するかというと、ずばり女のこと出会えればいいわけです。
しかし、普通に考えれば、鶏が先か、卵が先か、の問題にぶち当たります。
つまり、人のいないところに人は集まりません。
そこであたかも人(特に女性)がたくさんいるかのように見せるためにサクラがいるのです。
サクラは普通の女性会員になりすまして男性とメールのやりとりをし、ポイントを消費させて(ポイントがないとメールを送ったり見たりできない)
利用料金をせしめるわけです。この辺のテクニックはかなりのものになるのでまた今度まとめます。


ちなみにサクラ事態は違法ではありません。書くサイトの利用規約には必ず、本サイトは出会いの場を提供するものであって出会いそのものを提供するものではない。と必ず書いてあります。
こうして、一応男性客を取り込める最低限の準備は整ったわけですが、これだけではまだまだ集客力が足りないです。
最初から高いお金を払ってまでよくわからないで愛敬を利用する人はいないでしょう。
そこで出会い系サイト運営会社はあの手この手で客を集めてきます。

無料出会い系サイトという幻想

無料で出会える事が売りのサイトが世の中にはたくさんあります。
でもよほど有名なサイトをのぞけばほとんどのサイトが有名無実の蜃気楼です。
なぜなら、実際に出会うためには十分多くの女性会員がいなければなりません。
女性会員を引っ張ってくるためには女性誌などに大々的に広告をしなければなりません。
無料出会い系サイト曰く、「当サイトは広告収入により運営しております。」だそうだが、
十分な広告収入を得るためには相当な数の会員が必要となる。そもそも出会い系サイトで何を宣伝するというのか、
どうせほかの出会い広告、金融、懸賞サイトしかないに決まっている。


どう考えても 収入<支出 で赤字になるのは目に見えている。
ではなぜこれが世の中に数多くあるのか。

  1. もっとも登録がとりやすい。とにかく登録させることができる。 これは一見意味ないように思えるが実際には非常に重要なポイントである。
  2. 無料であることを逆手にとれる。無料出会い「広告収入で運営されているのでサクラを雇うお金なんてないよ。」 嘘です。
  3. 中身の全くない看板サイト、いわゆるダミーサイトを作って多くの人を取り込むことができる。
  4. 無料サイトに登録すると有料サイトにも登録される。利用規約に「当サイトの提携サイトのサービスを利用することができるものとする。」なんて書いてあります。
  5. 無料サイトに登録すると有料サイトから誘いがばんばんくるようになる。そこから有料サイトに登録させることができる。

つまり無料サイトは有料サイトに登録させるための大事な囲い込み作戦な訳です。


ここで最も重要なのがダミーサイトの存在です。これについてはまた後ほど説明します。
これを見抜くことで出会い系とネットの関係を把握できると言っても過言ではありません。それほど重要です。

有料サイト 直球勝負で攻める。

有料サイトは当然、中身が空っぽ、というわけにはいきません。
当然、料金発生に伴うトラブルなどもあり、不当請求、架空請求などの取り締まりも厳しくなっているため
法律に接触せず、かつできるだけトラブルにならないように運営しています。
出会い系運営会社の命の源、生命線であり、もっとも力を入れているのが有料サイトです。


まず、有料サイトはよほど悪質なところをのぞけば犯罪まがいなことはまずしません。
必ず利用規約や料金体系などを理解して使えばいいのです。ある意味正しく利用すれば一番安全といえるかもしれません。
なぜかというと、有料出会い系サイトは重いんです。
何かあったからといってすぐにサーバを止めたり、名前を変えたり、ドメインを変えたりすることはできません。
アルバイトなどの多数の人員を抱えている上、もっとも融通の利かない雑誌広告があるからです。
雑誌の原稿を切り替えるためには一ヶ月以上は確実にかかります。広告費は百万単位でかかるため無駄遣いするわけにもいきません。
できるだけトラブルを起こさないようにかなり気を遣って運営しているのが実状です。
当たり前ですが、お金を払っている以上、相手はお客様なので運営会社もきちんと苦情などに対応しています。


そんなわけなので、運営会社は自己責任という言葉を盾にして、きわどいやり方をしています。
そこら辺の工夫はかなりよく考えられています。
仕方ない、誰も悪くない、という状況を巧みに作り上げてお客様にお金を払っていただくのです。

なぜサクラの多いサイトはつぶれないのか?

サクラの多いサイトは一般的に悪質出会い系サイトとしてネットでものすごく嫌われています。("悪徳"ではなく"悪質"です。悪徳業者は違法なので警察に掴まります。)
すたび、とか、こいのおたより、とかいろいろあります。しかもそこら中で目にするサイトが悪質サイトだったりします。
逆に言えば、今や悪質ではないサイトを探す方が難しいのかもしれません。そこら辺は利用したことがないのでさっぱりです。
女性誌に広告を出しているサイトでも、男女比が9:1とかでは全く意味がありません。実際は男:女:サクラ 4:6(0.5+5.5) という感じではないでしょうか。


とにかくグーグルで検索すればいくらでも悪質サイトの投稿が出てきます。
ではなぜそのようなサイトが大手を振って男性誌やうぇぷこうこくを連載しているのでしょうか?
簡単に言えば、それでも儲かるから。です。
つまり、悪質サイトを念入りにチェックするような人は最初からアウトオブ眼中なんです。
たくさんのきれいな広告につられてくる人に利用してもらうだけで十分にやっていけるのです。

複数のサイトを経営している。

出会い系サイトの運営者情報を見ると一つの会社が一つのサイトを運営しているように見えますが、実際は一つの会社が複数のサイトを経営しています。
そして、飽きられてきたサイトは数ヶ月に一回名前を変えてまた何食わぬ顔で同じように経営します。
変わるのは名前とイメージバナーと見栄えくらいなものです。(内部にとってはいろいろとややこしい変更が多いです。)

悪評を遥かに上回るほどの宣伝

ウェブ広告というのは非常に安いです。もちろん大手ポータルサイトのトップページはものすごく高いですが、
普通にサイトを作って、ここは出会える!!。と書いておくだけで基本的に引っかかるからです。
あの手この手で出会えるように思わせて登録させるのです。

広告業者同士で連携する。個人あふぃりを使わない。

雑誌などの広告業者同士が手を組んでお互いに宣伝しあっています。
業者に頼むと広告料などは高くつきますが、その反面しっかりと登録をとったりいい客層を拾ってくることができるからです。
そういうわけで、サクラにしろ出会い系体験記などの登録誘導サイトにしろ個人をあまり介入させないことが多いです。
逆に広告リンクを張ってもらうために個人サイトを利用することは多いです。格安広告媒体として利用するのです。
個人はあまりノウハウがない上、自分の利益しか考えなかったり不正なことしたりどうでもいい客をひっはってきたりする空です。
出会い系サイトにゲームお宅100人を登録させても全く売り上げに貢献しないことでしょう。




次回は具体的な引っかけるテクニックを紹介します。